相続といえば「資産家やお金持ちだけの話」「まだ自分には先の話」と思われがちですが、実は相続トラブルの約8割は遺産総額5,000万円以下の家庭で発生しています。
導入文
「ウチは財産が少ないから大丈夫」の罠
揉める原因は金額ではなく「分けにくい財産(不動産など)」と「不透明感」であること。
この記事でわかること
家族の笑顔を守るために、50代・60代のうちから整えておくべき「3つの準備(把握・意思表示・分け方の工夫)」。
【現状把握】まずは「財産の見える化」から始める
「どこに何がいくらあるか」分からないリスク
預金口座の放置、ネット証券、暗号資産など、本人が亡くなった後に家族が苦労する事例。
「財産目録(資産リスト)」の作成
プラスの財産(預貯金・不動産・株式等)だけでなく、マイナスの財産(ローン・負債)も書き出すことが重要。
エンディングノートの活用
遺言書のような法的効力はないが、「家族への想い」や「口座情報・固定費の解約方法」を伝える第一歩として最適。
【意思表示】「揉めない遺言書」の書き方と種類
遺言書がないとどうなる?
「遺産分割協議」で家族が話し合わなければならず、主張がぶつかる原因に。
2つの主要な遺言書(メリット・デメリット)
◆自筆証書遺言: 手軽に書ける(法務局の保管制度を使えば改ざん・紛失リスクなし)。
◆公正証書遺言: 費用はかかるが、プロ(公証人)が作成するため無効になりにくく確実。

「付言事項(ふげんじこう)」で想いを残す
なぜこの配分にしたのかという「感謝や理由」をメッセージとして添えることで、感情的な対立を防ぐ。
【分け方の工夫】「家(不動産)」がある家庭の具体的な分け方
一番揉めやすい「実家・不動産」の相続問題
一番揉めやすい「実家・不動産」の相続問題である。

不動産相続の主な対処法
◆代償分割(だいしょうぶんかつ): 家を継ぐ人が、他の相続人に現金(代償金)を払う。 ◆換価分割(かんかぶんかつ): 家を売却して現金化し、みんなで分ける。 ◆生前整理・売却: 生前にコンパクトな住まいに建て替え・住み替えをしておく(第4章の不動産選びともリンク)。
【節税と生前贈与】早めの対策で残せるお金を増やす
相続税がかかるかどうかの確認(基礎控除額の計算)
3,000万円 + (600万円 X 法定相続人の数)を超えるかどうかが分岐点。
生前贈与の基本と活用法
暦年課税(年間110万円までの非課税枠)と持ち戻しルールの注意点。
生命保険の非課税枠の活用
500万円 X 法定相続人の数 までは非課税。受取人を指定できるため「即時必要な葬儀費用や遺族の生活費」として強力。
まとめ&FPからのアドバイス
「相続準備は、家族への最高のプレゼント」
元気なうちに家族とオープンに話しておくことが、何よりの円満の秘訣。
今日からできるファーストステップ

エンディングノートを一冊買う、通帳や契約書を一箇所にまとめる、から始めよう。

