
親が施設に入居したり亡くなったりして、実家が空き家になったとき、誰もがぶつかるのが「実家を売却して手放すか、それとも人に貸して維持するか」という悩みです。
「思い出が詰まった家だから残したい」という感情がある一方で、「誰も住まないのに固定資産税や管理の手間がかかり続けるのは困る」という現実的な問題もあります。
結論から言うと、築年数・立地・将来の家族の予定によって正解は全く異なります。
本記事では、実家の「売却」と「賃貸」のメリット・デメリットを客観的な数値やリスクから徹底比較し、後悔しない選び方の判断基準を解説します。
一目でわかる!「実家売却」vs「実家賃貸」の比較

まずは、売却と賃貸の主要な違いを一覧表で確認しておきましょう。
| 比較項目 | 実家を売る(売却) | 実家を貸す(賃貸) |
| 得られる資金 | まとまった一時金(売却益) | 毎月の継続的な収入(家賃収入) |
| 維持コスト | 売却後は完全にゼロ | 固定資産税・修繕費・管理費が継続 |
| 初期費用 | 比較的少なめ(仲介手数料・測量費等) | 高め(リフォーム代・クリーニング代) |
| 手間・管理 | 売却完了後はなし | 入居者対応・設備故障時の修繕手配が必要 |
| 将来の所有権 | 手放す(再取得は不可) | 所有し続けられる(将来自分達で利用可) |
「実家を売る(売却)」のメリット・デメリット
実家を売却して手放す場合のポイントです。
メリット:まとまった現金化と「管理の手間コスト」からの解放
■維持管理の負担がゼロになる: 毎年かかる固定資産税や都市計画税、庭木の剪定、雑草対策、防犯上の心配から完全に解放されます。 ■まとまった老後資金や資産形成に充てられる: 現金化することで、親の介護・施設費用に充てたり、兄弟で分け合ったりしやすくなります。 ■税制優遇(空き家特例)が使える: 要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる特例(空き家にかかる譲渡所得の特別控除)を活用し、節税が狙えます。
デメリット:思い出の場所が失われる・売却時の初期コスト
■感情面での寂しさ: 実家が完全に他人の手に渡るため、生まれ育った場所や思い出がなくなってしまう心理的ハードルがあります。 ■売買手続きのコスト: 測量費用や不用品の撤去費用、不動産会社への仲介手数料などの一時的な持ち出し費用がかかります。
「実家を貸す(賃貸)」のメリット・デメリット
実家を所有したまま第三者に貸し出す場合のポイントです。
メリット:資産を維持しながらインカムゲイン(家賃)を得られる
■安定した副収入(家賃)になる: 立地や需要が良ければ、長期的に安定した家賃収入を得られます。 ■実家を所有し続けられる: 将来的に自分自身や子供世代が住む、あるいは価値が上がったタイミングで売却するといった選択肢を残しておけます。 ■家を傷みにくくする: 建物は人が住まなくなると急速に劣化します。人に住んでもらうことで風通しや水回りの機能が維持されます。
デメリット:リフォーム等の初期投資と空室・修繕リスク
■リフォーム費用(持ち出し)が必要: 入居者を募集するには、水回りの交換や内装クロス張り替えなど、数百万円単位の初期投資が必要になるケースが多いです。 ■空室・家賃滞納・設備故障のリスク: 借り手が見つからなければ「家賃収入0円で固定資産税だけ払う」状態に。またエアコンや給湯器が壊れた際は所有者負担で修理・交換義務が発生します。
どっちを選ぶ?あなたにピッタリな選択がわかる判断基準

自分の実家はどちらを選ぶべきか、以下の条件を目安に判断してみましょう。
「売却」をおすすめするパターン
■築年数が古く(築30年以上)、木造で痛みが激しい ■駅から遠い、郊外、地方など「賃貸需要」が低いエリア ■将来的に家族の誰かが住む予定が一切ない ■相続人が兄弟複数おり、現金できれいに遺産分割したい
「賃貸」をおすすめするパターン
■最寄り駅から徒歩10分圏内など、好立地で需要が高い ■築浅(築20年以内)または丁寧にメンテナンスされている ■将来、自分や子どもが住む可能性がある ■初期のリフォーム費用を自己資金で用意できる
※なお、「建物を解体して駐車場として貸す」「戸建てシェアハウスとして活用する」といった第3の利活用ルートも存在します。
まとめ:まずは査定とリフォーム見積もりで「数字」を出してみよう
実家を「売る」か「貸す」かの決断は、思い出などの感情だけで決めると失敗しがちです。
■実家が「いくらで売れるか」の売却査定額を出す ■実家が「いくらで貸せるか(想定家賃)」と「リフォーム費用」を出す
まずはこの2つの具体的な数字を把握し、収支とリスクを天秤にかけたうえで、家族にとって最も負担が少なく得になる選択肢を選びましょう!


