【F91】〖G11〗[相続の基本]誰がいくら相続する?法定相続人と相続分の基礎知識

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親が亡くなった際、避けて通れないのが「遺産の分け方(遺産分割)」の話し合いです。

「兄弟でどう分ければ公平なんだろう?」「配偶者はどのくらい受け取る権利があるの?」といった疑問や悩みは、多くの方が直面します。

相続のトラブルを防ぎ、スムーズに手続きを進めるための第一歩は、法律で定められた「誰が相続人になるか(法定相続人)」と「どれくらいの割合で分けるか(法定相続分)」の基本ルールを正しく理解することです。

本記事では、相続人の優先順位からケース別の相続割合、代襲相続などの特殊な例まで、図解を交えて分かりやすく解説します。

誰が相続人になる?「法定相続人」の優先順位と範囲

民法では、亡くなった人(被相続人)の財産を受け継ぐ権利がある人を「法定相続人(ほうていそうぞくにん)」として定めています。                                  法定相続人になれる範囲と優先順位は、法律できっちりルールが決まっています。

配偶者は「常に相続人」になる

被相続人の配偶者(夫または妻)は、どんな場合でも必ず法定相続人になります。

血族相続人の「3つの優先順位」

配偶者以外の親族(子・親・兄弟など)は、以下の優先順位に従って相続人になります。先の順位の人が1人でもいる場合、後の順位の人は相続人になれません。

第1順位:子ども(直系卑属)                                  被相続人の子どもが最優先で相続人になります。子どもが既に亡くなっている場合は「孫」が繰り上がります。                                            ■第2順位:親・祖父母(直系尊属) ※子どもや孫が一人もいない場合のみ                  被相続人に子どもや孫がいない場合、両親(両親が亡くなっていれば祖父母)が相続人になります。

第3順位:兄弟姉妹(傍系血族) ※子ども・孫も親・祖父母もいない場合のみ              第1順位(子)も第2順位(親)も全員いない場合に限り、被相続人の兄弟姉妹(亡くなっていれば甥・姪)が相続人になります。

いくらもらえる?ケース別「法定相続分」一覧

誰が相続人になるかが決まったら、次は「法定相続分(法律上の分け方の割合)」を確認します。誰が一緒に相続人になるかによって、割合が変化します。

相続人の組み合わせ配偶者の割合その他の相続人の割合
配偶者 + 子ども1/2子ども全体で 1/2(子どもの人数で均等割り)
配偶者 + 親2/3親全体で 1/3(実父母なら1/6ずつ)
配偶者 + 兄弟姉妹3/4兄弟姉妹全体で 1/4(人数で均等割り)
配偶者のみ1/1(全額)なし
子ども人のみなし子ども全体で 1/1(全額)(人数で均等割り)

具体例(一番多い「配偶者 + 子ども2人」のケース)                          例えば、遺産総額が4,000万円で、相続人が「妻・長男・長女」の3人の場合:             ■妻(配偶者):4,000万円 × 1/2 = 2,000万円                         ■長男:4,000万円 × 1/2 × 1/2 = 1,000万円                          ■長女:4,000万円 × 1/2 × 1/2 = 1,000万円

このように、同じ順位の人が複数いる場合は、割り当てられた分を人数で等分するのが基本です。

知っておくべき「相続割合」の特殊ケースと注意点

実際の相続では、家族構成によって少し複雑なケースが発生します。

子どもや兄弟が先に亡くなっている「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」

相続が始まる前に、本来相続人になるはずだった子どもが亡くなっている場合、その子ども(被相続人から見た孫)が代わりに相続権を引き継ぎます。これを「代襲相続」と呼びます。

内縁(事実婚)の配偶者や元妻・元夫の扱い

日本の法律では、戸籍上の婚姻関係がない内縁の妻(夫)には法定相続権がありません。同様に、離婚した元妻(元夫)も相続人にはなれません。
ただし、離婚した元妻との間に生まれた「実子」には第1順位の相続権がそのまま残ります。

養子・婚外子(非嫡出子)の相続分

養子: 実子とまったく同じ扱いとなり、同じ割合で相続します。                   ■認知された婚外子: 婚姻関係にない相手との間に生まれた子ども(認知済み)も、実子とまったく同じ割合で相続します。

「法定相続分」通りに分ける必要はある?

「必ずこの法定相続分通りに分けなければいけないの?」と疑問に思う方も多いですが、必ずしも法律の割合通りにする必要はありません。

原則1:有効な「遺言書」があれば遺言が最優先される

被相続人が生前に「誰に何をどれだけ渡すか」を記した有効な遺言書を残していた場合、法定相続分よりも遺言書の内容が優先されます。

原則2:相続人全員が合意すれば「遺産分割協議」で自由に分けられる

遺言書がない場合でも、相続人全員が話し合って納得(遺産分割協議)すれば、割合は自由に決められます。

■「長男が実家の不動産を引き継ぎ、次男が現金を多くもらう」                  ■「母親の老後資金のために、全財産を母親が引き継ぐ」                       といった分け方も、全員の同意があれば完全に有効です。

まとめ:まずは「相続人と相続割合」を正しく把握しよう

相続が発生したとき、あるいは将来に備えるときは、まず「誰が法定相続人になり、法律上の基準割合(法定相続分)はどうなるか」を整理することから始まります。

■戸籍を集めて法定相続人が誰かを確定させる                           ■遺言書の有無を確認する                                    ■法定相続分を目安に、家族みんなが納得できる遺産分割を話し合う

不動産の分割や名義変更、預貯金の解約手続きなど、具体的な分け方に悩んだ場合は、司法書士や行政書士といった相続のプロに相談しながら進めるのが安心です。

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