【F75】[税金]⑨ 【相続した実家の税金】売却するなら知っておくべき!「3,000万円特別控除」と「空き家の3,000万円控除」活用完全ガイド

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「親が亡くなり実家を相続したが、誰も住む予定がない」 「誰も住まない実家の維持費や固定資産税ばかりがかかって困っている」

このような悩みを抱える50代・シニア世代の方が増えています。相続した実家を売却する際には、利益に対して「譲渡所得税(所得税+住民税)」がかかりますが、知っておくべき節税特例を活用することで、何百万円もの税金を減らせる(またはゼロにできる)可能性があります。

本記事では、相続した実家を売却する際にかかる税金の基本から、節税の目玉である「2つの3,000万円特別控除」の要件や注意点までを詳しく解説します。

まずは基本!相続した不動産を「売却」したときにかかる税金の仕組み

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税(所得税・住民税)」が課税されます。

譲渡所得の計算式

譲渡所得(利益) = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

取得費:不動産を購入したときの代金や建築費(減価償却後)                   ■譲渡費用:仲介手数料や解体費用など、売却にかかった直接の費用

所有期間による税率の違い(5年超の「長期譲渡所得」が基本)

不動産の所有期間が5年を超えると「長期譲渡所得」となり、税率が約20%(所得税15.315%+住民税5%)に優遇されます。相続の場合、「亡くなった親(被相続人)の所有期間」を引き継ぐことができるため、多くの場合で長期譲渡所得の低い税率が適用されます。

★注意!2024年4月から「相続登記」が義務化されました 名義が亡くなった親のままでは不動産を売却できません。売却手続きを進める前に、まずは法務局で相続登記(名義変更)を完了させる必要があります。

節税の要!実家売却で使える「2つの3,000万円特別控除」

譲渡所得(利益)から最大3,000万円を控除できる特例を利用すれば、税金を大幅に減らす、あるいはゼロにすることができます。実家の状況に応じて主に2つの特例が存在します。

【自分が住んでいた場合】居住用財産の3,000万円特別控除

相続した実家に自分自身が引っ越してマイホームとして住み、その後売却する場合に適用できる特例です。最高3,000万円までの利益が非課税になります。

【空き家になった実家を売る場合】被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除

親が一人暮らしをしていた実家を相続し、空き家のまま売却する場合に使える非常に強力な特例です。ただし、適用を受けるためには厳格な条件を満たす必要があります。

空き家の3,000万円特別控除の主な要件

昭和56年5月31日以前に建築された戸建て住宅(旧耐震基準)であること               ■相続開始直前において、親が一人で暮らしていたこと(要介護認定等で施設に入所していた場合の例外あり)                                            ■売却時に「耐震リフォームをして売却」するか、「建物を解体して更地にして売却」すること      ■売却代金が1億円以下であること                                ■相続から売却まで、事業・貸付・居住に使われていないこと

【注意】特例が使えなくなる!よくある4つの失敗パターン

「特例を使って節税しようと思っていたのに使えなかった」という失敗事例も少なくありません。

失敗①:区分所有マンション(集合住宅)を売却してしまう

「空き家の3,000万円特別控除」は戸建て住宅限定の特例です。実家がマンションの場合、この特例は利用できません。

失敗②:売るまでの間、誰かに貸してしまった

相続してから売却するまでの間に、一時的にでも賃貸に出したり駐車場として貸したりすると、「居住用・空き家」の要件から外れ、特例が使えなくなります。

失敗③:適用期限(相続から3年目の年末)を過ぎてしまった

この特例には期限があります。「相続が始まった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却を完了させる必要があります。放置しているとタイムリミットを迎えてしまいます。

失敗④:解体・耐震費用を考慮せずトータルで損をする

建物を更地にする解体費用や耐震工事費用が高額になると、節税できた税額よりも支出の方が多くなってしまうケースがあります。事前に試算しておくことが重要です。

損をしない!実家相続〜売却・節税までのスムーズな4ステップ

STEP1:実家の現状と契約内容の確認

昭和56年5月31日以前の戸建てか、固定資産税評価額や過去の購入時の書類(売買契約書など)があるか確認します。

STEP2:速やかに相続登記(名義変更)を済ませる

司法書士などの専門家に依頼し、名義変更手続きを早めに終わらせます。

STEP3:不動産会社へ査定依頼・現地確認

売却相場の確認と同時に、解体見積もりや「更地渡し」での売却が可能か不動産会社に相談します。

STEP4:自治体から確認書の交付を受け、確定申告を行う

空き家の特例を受けるには、実家のある自治体から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受け、売却した翌年に確定申告を行います

まとめ

誰も住まなくなった実家の放置は、固定資産税や管理の手間が増えるだけでなく、強力な節税特例の期限(3年目の年末まで)を逃してしまうリスクがあります。

売却を検討する場合は、早めに実家の資産価値を把握し、特例の条件を満たせるか確認することが成功の鍵となります。

次回【F76】[税金]⑩(シリーズ最終回)では、「50代・シニア期からの税金対策&確定申告まとめ」として、これまでのポイントと手続きの全体像を総まとめでお届けします!

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