
「実家の浴室や玄関に段差が多く、親がいつ転倒するか不安…」
「在宅介護を始めたいけれど、バリアフリーリフォームにはどれくらい費用がかかるのだろう?」
高齢の親が住み慣れた自宅で暮らし続ける際、避けて通れないのが実家のバリアフリー化(介護改修・リノベーション)です。
高齢者の転倒事故の多くは、実は屋外ではなく「自宅内(リビング・階段・浴室など)」で発生しています。安全な居住環境を整えることは、親のケガを防ぐだけでなく、介助する家族の負担を劇的に減らすことにも繋がります。
しかし、自腹で大規模な工事を行う必要はありません。介護保険の「住宅改修費」制度を活用すれば、最大20万円の補助を受け、自己負担1〜3割(実質1万〜2万円程度)で改修することが可能です。
本記事では、補助金の仕組みから、おすすめの改修ポイント、申請の具体的な5ステップ、後悔しない業者選びの注意点まで詳しく解説します。
最大20万円支給!介護保険「住宅改修費」制度のしくみと対象範囲

要介護や要支援の認定を受けている場合、公的介護保険から住宅改修のための補助金が支給されます。
制度の基本ルール
■支給限度額: 要介護者1人につき上限20万円まで(※生涯での上限額)。 ■自己負担割合: 所得に応じて1割〜3割(例:20万円の工事を行った場合、自己負担額は2万円〜6万円)。 ■分割利用も可能: 一回で20万円を使い切る必要はなく、数回に分けて申請することも可能です。
補助金の対象となる5つの必須工事
介護保険が適用される工事は、以下の5つに限定されています
■手すりの取り付け: 玄関、廊下、階段、トイレ、浴室などへの手すり設置。 ■段差の解消: 部屋間の敷居の段差解消、スロープの設置、浴室の床のかさ上げ。 ■床材の変更(滑り止め): 畳からフローリングへの変更、浴室の滑りにくい床材への変更。 ■扉の取り替え(引き戸化): 開き戸(ドア)から折れ戸や引き戸への取り替え、ドアノブの変更。 ■洋式便器への取替え: 和式便器から洋式便器への変更、便器の高さ変更。
※注意点(制度の再利用ができるケース) 原則生涯20万円までですが、「要介護度が3段階以上上がった場合」や「別の住居へ引っ越した場合」*は、再度20万円分の枠がリセットされて使えます。
在宅介護をラクにする!タイプ別・おすすめ改修ポイント
実家をリフォームする際は、転倒事故を防ぐ視点と、介助する家族が作業しやすい視点の両方を盛り込むことがポイントです。
転倒事故を防ぐ(玄関・廊下・階段)
■玄関: 靴の脱ぎ履き用の「手すり」と、腰掛けられる「ベンチ」を設置。上がり框(かまち)の段差を埋める踏み台を置く。 ■廊下・階段: 伝い歩きができるよう壁面に連続した手すりを設置。足元灯(センサーライト)をつけて夜間の移動を安全にする。
介助の負担を減らす(トイレ・浴室)
■トイレ: 車椅子や介助者(子どもやヘルパー)が入れるスペースを確保し、ドアを引き戸にする。 ■浴室: 出入り口の段差をなくし、立ち上がり用の手すりを設置。また、急激な温度変化によるヒートショックを防ぐため「浴室暖房乾燥機」の導入を検討する。
損しない!補助金を使った介護改修のスムーズな手順(5ステップ)

介護保険の補助金をもらうために、最も重要なルールは「必ず工事着工前に申請(事前申請)を行うこと」です。工事後に申請しても補助金は1円も降りませんので注意してください。
【ステップ1】 ケアマネジャーへ相談・理由書の作成
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【ステップ2】 リフォーム会社・工務店に見積もりと図面を依頼
↓
【ステップ3】 役所(自治体)へ「事前申請」を行う(⚠️工事前)
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【ステップ4】 工事の実施・費用の支払い
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【ステップ5】 工事完了報告(事後申請)を行い、補助金を受領
ステップ1:ケアマネジャーへ相談・理由書の作成
まずはケアマネジャー(介護支援専門員)に「実家のバリアフリー改修をしたい」と相談します。ケアマネジャーが現地(実家)を確認し、なぜその工事が必要なのかを証明する「住宅改修理由書」を作成してくれます。
ステップ2:複数社から見積もり・図面を取る
介護リフォームの実績が豊富な工務店やリフォーム会社から見積もりと見取り図(施工前後の写真を含む)を取り寄させます。
ステップ3:役所へ「事前申請」を行う(※最重要)
必要書類(申請書、理由書、見積書、施工前の写真など)を揃えて自治体の介護保険課へ事前申請を出します。(通常、リフォーム会社やケアマネジャーが代行してくれます)。
ステップ4:工事の施工・支払い
事前申請の承認が下りたら、工事を開始します。完了後、一旦施工費用を全額支払います(※受領委任払いを利用できる自治体の場合は、最初から自己負担分のみの支払いで済む場合もあります)。
ステップ5:事後申請と補助金の受領
領収書や施工後の写真などを添えて役所に事後申請を行うと、約1〜2ヶ月後に指定口座へ補助金(費用の7〜9割)が振り込まれます。
失敗を防ぐ!介護改修リフォーム業者の選び方と2つの注意点
注意点1:将来の「車椅子生活」や「介護度重度化」を見据えて設計する
現状の親の足腰に合わせて「手すりを1本つけるだけ」の最小限の改修で終わらせてしまうと、数年後に車椅子が必要になった際、結局再リフォームが必要になり二重の費用がかかってしまいます。出入口の幅を広く確保しておくなど、先を見越した設計をしておきましょう。
注意点2:介護リフォームの実績が豊富な業者を選ぶ
住宅改修費の申請ルールは非常に厳密で、提出書類の不備や事前申請漏れがあると補助金が適用されません。 「介護保険の住宅改修申請に慣れているか」「福祉住環境コーディネーターなどの専門資格を持ったスタッフがいるか」を必ず確認し、複数社から比較見積もりを取るのが失敗を防ぐコツです。
まとめ:補助金を賢く使って、親子が笑顔で暮らせる安全な住まいを作ろう
実家のバリアフリー改修は、親の事故や怪我を防ぐだけでなく、介護を行う子ども世代の体力やストレスを激減させてくれる非常に価値ある投資です。
■介護保険を使えば上限20万円(自己負担1〜3割)で改修可能 ■工事を始める前に必ず「ケアマネへの相談」と「事前申請」を行う ■介護改修の申請・施工実績が豊富なリフォーム会社を選ぶ
実家のバリアフリー化を検討し始めたら、まずは担当のケアマネジャーに実家を見てもらい、「どこに手すりを付けるべきか」のアドバイスと理由書の作成を依頼することから始めてみましょう!



